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本当の精神科とは
最近、ストレスがたまって色々としなくてはと、変に追われた気分になっている今日この頃。タイムスケジュールをうまくコントロールする事が、今年の成功の鍵ではと思っています。では本題へ
題目にある『本当の精神科とは』という言葉だけを見ると、読み手はどのような内容なのかと色々と想像してしまうかもしれない。今回はどちらかというと、想像されていた内容と少し違うかもしれないがご容赦いただきたい。
「この患者は、生粋の精神科やで」
「この病棟は、老人病棟やから本当の精神科と違う」
他にも、似たような表現は頻繁に聞くが、この程度にしておいて、つまりは、このようなことを口にする方々は、例えば統合失調症やMDI(躁うつ病・気分障害)に代表される精神科疾患のみの患者を『本当の精神科』と言いたいらしい。そこに、身体障害(歩行障害等の機能障害)や加齢からくるADLが低下した寝たきりの患者などは、どうもその定義に当てはまらないようだ。
精神科で勤務した事がない人には、ピンとこないかもしれないが、少なくとも私が知っている環境では時々耳にする言葉だ。
間違ってはならないのは、どのような身体状況であれ内科疾患を合併していても、ADLに問題があったとしても、どの患者も本当の精神科疾患に罹患している患者であり、精神科の病棟に入院している患者は全てが看護の対象であり、ある意味優先されたり、軽く見られたり、対象外であるということはあってはならないのである。
これに似たような感覚で、精神科のメインは急性期病棟だなどと勘違いした事をいう看護師がいる。急性期病棟(救命救急を含めた)は一見、目に付きやすくクローズアップされやすい病棟である事は事実であるが、それとこれとを混同してはならない。
残念ながら、精神科以外の病院施設でも救命救急病棟はメディアに取り上げられる中心であり、時々精神科の病院が取り上げられたとしても、そのほとんどが救急を取り扱う急性期病棟である。ここにいかばかりかメディアの責任があることは事実で、その点にあまり気付いていない人が多い。
話はややそれるが、ドラマでも救命が格好よくその憧れになることは多い。精神科病院でも同じような流れがあり、やはり救急の病棟がその中心である印象が強い事は否めない。
※精神科病院の中で、“どこが”“どの患者が”本当の精神科であるかどうかは、今更どうでもよいことである。何故なら、全てが“その対象”であり、精神科看護の上でも優劣を付けられるものはないからである。