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他科で理解されない精神科看護と精神看護
先日、私が看護学校に入る前から世話になっている先輩から電話があり・・・
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まず、先輩の紹介から
私が18歳、精神科病院に看護助手として就職した頃、先輩は看護学校に行っていた。私を看護の道に引っ張り込んだ先輩だ。
先輩が「看護は愛やで」
などと言っていたのは今になって大事だと感じる。当初は「あほなことを」などと思っていたが、何よりも“重要な気持ちの部分”であろう。
先輩は看護学校の途中で精神科を退職。他科へ行った。
先輩が他科へ行くことについて、日夜議論した。先輩が他科へ行った後も時々電話でその是非を議論しあった。
でもいつしか思うようになった。精神科で看護の道を究めようが他科で極めようが、各々を半分ずつ経験しようがそこに是非はないということを。
そして今では、先輩は救命センターで勤務。私は今でも精神科。
当初は先輩に精神科のいろはを教えてもらっている、そういう関係であったが、今はお互い質問しあう関係。
「○○って、そっちではどうしてる?俺、きいたことないねんけど」
このような知識や技術面での情報交換はあたりまえ。このような関係は医療従事者の関係としても、友人としても否定されるものではないと思う。
そして先日先輩からのいつもの電話。
「術後でいろいろ不安があったみたいで、やたら肩が凝る!摩って!!腕がだるい!摩って!!っていうねん」と。
これが異常な程度の訴えらしく、他の看護師は音をあげているという。ともすれば、その異常な訴えから、何かがうつりそう(感染しそう)だと言うのだという。
いまだに精神科への理解はその程度であるというのが現実か。救命センターで働いていても、精神科看護は別物なのか。
精神科看護の上には精神看護がある。疾患が変わっても看護は看護であろうに、さみしさを感じる。しかし、先輩のような理解者がそのような場所にいることは心強くも感じる。薬の処方に関して、救命センターの医師も困っているとのこと。あくまでも私の個人的意見であるという前提の下で薬剤の特徴を説明しておいた。
そして今日。
「先生に、もっさんの言うてた薬の話したで!で、先生処方してたわ」
念のために言うが、治療に対して意見することは看護師にも義務があると私は考えている。そして、治療方針の決定は医師。これが最も理想とする私の医師⇔看護師の関係だ。治療方針に意見を言える先輩は私の看護という概念に違和感を感じさせない。
当然のことながら、精神科でなくとも精神“科”看護は必要である。そして、どの科にも精神看護は存在する。精神看護は、精神科看護のように専門的に分類されるものではなく、どの科にも同じ割合で存在する。
つまり、精神科疾患に罹患していようがいまいが、他科であろうが精神科であろうが精神看護は同じ割合で存在し、ウェイトを占める。
看護を志したのであるなら、各所専門の科を極めながら精神看護は並行して学ぶべきである。いや、最低限知るべきであろう。
精神“科”看護がわからないからと、精神看護を放棄するということはありえない。
まずは、どの科で働こうと、精神看護を知るということから始めてほしい。
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