• HOME
  • 看護論的経営論
設定されていません

患者の個別性を感覚で理解する 

投稿日:2008/03/20

人事異動は済みましたか?また、この時期を選んで新しい職場に就職する人もいるかもしれません。今日は、人事異動に関連させて患者の個別性のお話をしてみたいと思います。

ここをクリックしてから読んでね。
また、当NPO法人のHPはこちら(医療相談等々)ご協力お願いしますね^^。






特に精神科で勤務する者の感覚なのかもしれないが、人事異動で新しい病棟にきて患者と向き合った際、


※前の病棟の患者のほうが楽しかった


と感じたことはないだろうか。
患者のパーソナリティを選ぶという意味ではなく、看護師として患者の特徴を知ることは重要であろう。


異動したときのこの素直な感覚は実のところ間違っていない。
これは、異動前の病棟では患者のパーソナリティなどを含めた個別性を見ることができていたということ。

“異動前の患者”と“新しい病棟の患者”を見るにあたって、看護者の何が違うかというと、

※単に患者と関わった期間が違う

だけである。


精神科特有といったのは、精神科では特に長期入院の患者が多いために看護師と同一患者との関わる期間が長いというだけのこと。患者そのものは何も他科と変わらない。

新しい病棟で患者とかかわって1ヶ月後ほど経過した頃に、何となくでいいので《今の自分の患者への感覚》と《異動当初の患者への感覚》とを遡って比較してほしい。
当初患者を診ていた自分の感覚とは違うことに気づく。

これは、なにを表しているのかというと、異動当初よりも


※その患者の特徴を看ることができるようになっている。

ということ。換言すれば、個別性を掴むことができるようになっているということなのである。


あっている間違っているという問題ではなく、少なくとも
“無意識下で患者を診ていた”ということであり、これを顕在化することは患者の個別性を把握するためには必要な一部分。



今回の話題は

・病棟単位での看護師一人対病棟の患者複数

の話をしているが、実は、日常入退院している患者一人一人への関わりを見れば、“看る”ということにおいては、同じことをしているのである。

むしろ看護師一人対患者一人のほうが、個別性としては明確な感覚を得られるため意識化したものを敢えて無意識下(フロイトのいうそれとは違う)に置いているといえる。
逆に病棟単位で看護師一人が複数患者をみる場合は、その感覚は直接患者一人を見ているわけではないので逆に感覚として顕在化されることは少ない。

今は丁度人事異動の時期。
前の病棟で感じていた“患者への感覚”を思いだし、異動後の感覚の変化とを比較し、そして感じて、意識を顕在化させて味わってみてほしい。

これは、多角的視点から患者を看るということの一つの方法であるので、是非頭の片隅にでも置いていただければ幸いである。







---------------------------------------------
※NPO法人 泉州精神看護研究会への寄付金・募金をお願いしております。以下の振込先ですが、お振込みの際は必ずmail@seishinkango.jp宛てにご連絡ください。募金に関しては、使途を明確にし医療の発展に役立てたいと思います。
---------------------------------------------
振込先:三菱東京UFJ銀行 岸和田支店(店番780) 
普通口座 3624711
口座名義 特定非営利活動法人 泉州精神看護研究会 
---------------------------------------------

※NPO法人 泉州精神看護研究会の会員を募集中です。ご興味のある方は、NPO法人泉州精神看護研究会ホームページの入会フォームから申し込みください。入会にあたり、特に地域を限定されるものはありませんので、遠方の方でも遠慮なくご連絡ください。
---------------------------------------------

※拙著「精神科看護師、謀反」をご入用の方は、mail@seishinkango.jpまでメールをお送りください。送料は、当方負担で無料送付(本代別途)させていただきます。