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抗精神病薬は単剤処方か混合処方か

投稿日:2008/07/17

少し疲れがたまっているかもしれませんが、一つの目標に向けて頑張っています。いい報告ができればいいのですが。さて、本題へいきましょうか・・・

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いつも言われていることだが、抗精神病薬の処方は今だに混合処方が主流。
ようやく単剤処方を主流とする医師も増えてきているが、まだまだその数は少ない。

一つに、医師の勉強不足というものがある。明らかに勉強不足。
我々看護師より薬理作用を知らない精神科医も少なくない。

なぜ学ばないのだろうか。

根拠のない混合処方をし、過鎮静で薬が効いたとでも思うのだろうか。

もうひとつは、長期入院患者の過鎮静を「安定している」と解釈し昔の混合処方から単剤へ変更することを恐れているということ。
これは、CPに換算して優に2000mgを超えており、抗パ剤(抗パーキンソン薬:抗精神病薬の副作用をとめる役割を持つが、同時に幻覚妄想を発症させるという副作用のでることがある)を併用しているような患者などであれば、その量を長期投与しているほうがよっぽどリスクが高く、副作用などから人間性などが失われてしまうことも少なくないだろう。

何のために入院しているのか、過鎮静でおとなしくすることが治療というのだろうか。精神科医の一部はもう少し学ぶべきではないだろうか。懲罰的な処方、根拠のない抗精神病薬の混合処方、抗パ剤の乱用・・・

せっかく出た新薬を、他の定型、あるいは非定形抗精神病薬と併用し・・・何がしたいのか理解ができない。

いつか話をしたことがあるが、医師によって処方内容が極端に違うこと。これは、それぞれの精神科医の処方についてのエビデンスがあったとしても、それはただの

※経験則によるもの

ということの証明にすぎず、なにも肯定できるものではない。

経験則をベースとした抗精神病薬の処方はかなり危険である。リスパダールを平気で12mg処方し、セレネースを18mg、ジプレキサを20mg、コントミンを・・・・と本当にそうなのかと言いたくなるような量をひとりの患者に処方している現状がいまだにある。それは、1つの病院に限らず、である。

逆に薬剤の単剤化の推進に成功している病院もあることから、精神科医のこの格差は何なのだろうかと日々疑問に思う。

この問題を論文にまとめた研究者はいないのだろうか。

人の命を真剣に考えて治療にかかっているなら、少しはその辺を配慮し学ぶべきではないだろうか。

ちなみに、抗精神病薬の処方に関して、100%単剤でなければならないというわけではない。
ただし、非定型抗精神病薬を単剤で、順番にその効果を試して行けば多剤併用になることはほとんどない。であるにもかかわらず、医師も看護師も我慢できず、入院から1週間程度で多剤併用に踏み切ったりする。このような現状は何としてでも変えていかねばならない。

抗精神病薬の処方量に関しては、未だにそのような医師が多いことから、単剤における有効性を示すデータを増やし、過剰処方、混合処方に関して(もちろん、抗パ剤においても、である。
)ある程度“規制”をかけていくような仕組みを作らなければならないのかもしれない。


※治療とは何なのか、命とは何なのか、人間とは何なのか


看護や医療に答えはないのかもしれない。
しかし、一人の医療従事者が、

※何も考えず臨床に望むのと、これらのことを考えながら患者と関わるのとでは全く違ったものになる

ということだけは間違いない。








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