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精神疾患の治療現場と実際の乖離

投稿日:2009/01/08

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最近、精神医療ホットラインの相談の中で疑問に思うことが多々ある。

相談内容の多くは過去に何らかの大きなショックあるいは軽度であってもストレスを受けており、すくなからずそれが今に影響していると感じるケースが多い。

精神科医に相談すればまずは薬物が処方される。
中にはどんな軽度な症例であっても抗精神病薬が処方されたりする。そこに症状の種類などは関係ないようだ。私の見て聞いた多くのケースからするとそのほとんどに多剤を併用していた。


といっても、薬物療法を否定しているのではない。
まずは、精神科医が抗精神病薬や抗鬱薬、そのほかの作用副作用を含めた特徴をしっかりと把握していること、そして、患者の状態が自分自身の範疇であるかどうか。
そこを見極められる医師であってほしい。
それが、自分の範疇かどうかもわからず、相談に来るすべてのケースに薬物を処方しても不幸にも体調が悪化する患者も少なくないと思う。
あえて診断名から触れることは避けておくが、強烈な精神的負担やストレスが原因で生じた疾患から付属的にうつ状態や解離症状(健忘も含む)、また自律神経症状などが見られた場合であっても、うつ病であったり若年なら幻聴が聞こえるというだけで統合失調症であると診断してしまう医師があまりにも多すぎる。そもそも診断が大きくそれているのに薬物療法がうまくいくはずがない。
原疾患が環境に起因(環境要因とはまたニュアンスが違う)するものである場合は薬物療法は補助的なものでしかない。
また、仮にそれがうまくいったとしても時間の経過が本人を緩和させたのであり、それは自己の自然治癒力であるとも言えると思う。
つまり、その自然治癒力がうまくいかない場合は主となるものは別のものが必要となる。

医師自身がそのようなことを実感する機会がないのもわかる。なぜなら、調子が悪くなった患者・家族のほとんどはそれを告げずして受診するからであろうし、これを現状では統計に出すことも困難だろう。
これらの背景を踏まえて精神科医はどのように考えるのかを問いたい。


これらのケースの多くに必要なのは自らの過去を受け入れるという作業である。
相談者の多くは、過去に強烈な精神的ストレスを受けている。
我々が同じようなストレスを受けても平然と過ごせる“かもしれない”。
いや、そのような程度の我慢比べをしているのではない。人は、少なからずさまざまな角度からストレスを受けると人はストレスから脳を守るためごまかしたり自分なりの防御をしようと働くようである。

その防御の方法が社会適応できるかどうかという基準もあろう。しかわし、私が相談を受ける人の多くは、薬物療法が主ではなく別の方法を中心としなければらないのではと強く感じる。

端的にいうと認知行動療法の必要性についてである。

しかし、現状感じるのは精神科医の認知行動療法を含む薬物療法以外の知識と、臨床心理士の認知行動療法の実践値との乖離。これが今最も治療を阻害しているともいえるが、逆に、双方の連携が今後の精神科医療を好転させるきっかけになるのではとも思う。















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