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急性期の精神症状(興奮・混乱等)にはガツンと落としてから

投稿日:2010/03/11

このタイトルをみて、さまざまな捉え方をされると思いますが・・・



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精神科における急性期患者の興奮状態には、セレネースやリスパダール12mg(無茶苦茶)やロドピン等々で、まずガツンと鎮静をかけるようにすれば治療効果がある。




わけがない。



いまだに効果的であると考えている医師や看護師がいるかもしれないが、一方ではそのような考え方を聞いて驚く人もいる。

要するに、旧来の治療の考え方と新しい考え方が併存しているのが今の精神科医療の現状を象徴しているともいえるのだが。




以下に、ガツンと鎮静をかけてることへの疑問をあげてみた。
1、急性期の患者に強めの薬を投与しようとする意図が不明。
2、まずはガツンと鎮静をかけておいて、そのあとの減薬していくことで治療成績が上がるというデータもエビデンスもない。
3、服薬等のアドヒアランスが著しく不良となる可能性が高い。
4、本来対等であるべき患者:医療従事者関係が、主従関係に陥りやすくなる。
5、精神科医療に対する不信を抱き、トラウマも抱くようになる。
6、人道的に問題がある。


こう考えてみると、治療的意義はほぼゼロに近いと断言して間違いない。



では、逆にガツンと鎮静を効かせるメリットは

1、興奮がなくなり、仕事がしやすくなる。
2、興奮がなくなると自傷他害の恐れがなくなる。


・・・この程度しかおもいつかない。

しかも、この1と2は、実は患者が過鎮静になることで得られるメリットともいえない。
過鎮静によって書類仕事は増え、観察しなければならないことも増えるし、薬物療法による科学的拘束という状況であるため、受傷事故や生体へ与えるリスクは断然高まる。そのためメリットどころか、デメリットとして捉えるしかない。


万が一ガツンと鎮静をかけることで治療成績があがるようなことがあったとしても、まずは倫理的・人道的にどうかということを言語化して議論されなければならないし、そもそもエビデンスがないのであるから、どちらにしろたちが悪い。











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