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精神科医療における誤診・誤処方は何故減らないのか

投稿日:2011/11/27

大阪市長は維新の会、橋下徹氏に。さて、今後、大阪府はどうなっていくのか。今回の記事は、精神科医療の問題提起として、松井新知事、橋下新市長の二人に見てほしい。



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読売新聞の医療ルネサンスにもあるように、精神科医療の誤診・誤処方は後を絶たない。

これほど、メディアでも騒がれているのになぜ誤診・誤処方は減らないのか。



以下、①~⑥まで箇条書きにまとめてみた。

①最終的に治療が正しかったのかどうかの判断が難しい。
②診断基準が曖昧。
③日本では、公の場において他者批判する文化は排除される傾向にある。
④権威とされる者の意見はすべて正しいという風潮がある。
⑤学者同士が公の場で議論されることがほぼないという現状。
⑥患者はさておき、医療者同士が互いをかばいあう習性がある。

それぞれについて簡単に考えてみたいと思う。

①これは、脳の構造上評価が難しい。しかし、より正しいと思われる評価をするためには薬剤性のものか、病態によるものかの2つの視点を常にもって関わらなければならない。そうすれば、治療に慎重さがでてくるはずである。今の精神科医療は、治療について医師同士が議論する機会が少ないばかりか、その精神症状の多くは薬剤性や内分泌性のものではなく、いわゆる精神疾患そのものの病態であると決めつけがちであるという現状がある。

②については、“発達障害とは”“統合失調症とは”という概念をもっと議論しなければならない。解離性障害を見抜けない医師も少なくない。これをうけて、まずは統合失調症の生涯罹患率が0.85%という話は早急に訂正すべきである。だれでもなりうる疾患であるが、それをパーセントで表現し、身近なものだとする議論も稚拙である。

③もちろん、誹謗中傷はよくないが、「~の意見については私はこう思う」という議論はもっとあってもいいと思う。ところが、それぞれがそれぞれの意見を言っても、互いに議論されることがない。だから、意見を見比べて矛盾があっても意見を交わわせることがないから治療方法や疾患概念の拡散が生じる。批判すれば、要注意人物として排除しようとする傾向があるとすれば、これを読んで心当たりのあるあなたは反省すべきだ。

④「大学病院に行けば大丈夫」であるとか「○○病院の教授だから」とか「有名な先生だから」など、一般の人はそういう判断指標しかないという現実がある。精神科医療の現状は、「大病院だから」などという判断指標は、最悪の結果を招く可能性がある。

⑤誤診・誤処方を訴える医師は少ない。これは、精神科医療に疑問を持っている医師がすくないという現実もあるが、それ以外に精神医学の権威や薬剤のマーケットを敵に回せば日本社会から抹殺される可能性があるからだ。だから、誤診・誤処方について、公に議論されることはほぼない。逆に、表でそれを議論しようとする医師がいても、反対の立場の権威は公開討論をしようともしない。

⑥患者の人生がかかっているとしても、それは関係なく顔見知りの、あるいはそうでなくともどこかでつながる可能性があると思ってか、前医の診断を覆そうとしない。これは、診断センスがないのか自分たちの立場を守るための行動なのか理解しがたい。



このように、日本の精神科医療における誤診誤処方の問題の原因は複合的だ。
現状の精神科医療において、早急に取り組むべき課題は、

1、官僚・政治家がこの問題をもっと知る必要がある。
2、診断基準や疾患概念を日本レベルでよいので権威やそのほかの有識者を含めて徹底的に議論する。もちろん、公開討論も視野に入れる。

他にも方法論はあふれるほどあるが、この2つの問題に取り組めば、他の方法論をスムーズに解決できると考えている。


さて、こんな長文誰が読むのかという気もするが、
我慢できないので書いた。

私のblogは、有名なところで言うと、ライブドアのブログサイト「BLOGOS(ブロゴス)」にも掲載されているので、今回の記事はかなり影響力のあるものとなるのではないだろうか。















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