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忘れてはならない チーム医療ということの本質
チーム医療
医療従事者なら、この言葉は、耳にたこが出来るほど聞いているだろう。では、
「チーム医療とは?」
と問われた場合、どのように答えるだろうか。(ここで、まず先に『教科書的に答えることが正解ではない』ということを説明、前置きしておく。)
※「各々の医療職種が連携して治療に携わる事」
等々の類似した回答ではなかっただろうか。もし、そうであったのなら、あなたはこれを機会に考え直してほしい。
問題とするところは、その概念の“浅さ”にある。
まずは、
◎個人レベルで、チーム医療ということの概念を深めること
である。
『チーム医療』ということの概念が各々違っていても、生じる問題は少ない。むしろ、浅い概念のまま浸透することのほうがよっぽど有害である。今の医療業界が、それを物語っている。チーム医療という言葉は皆が知っているのに、それを実践できていない。概念が浅ければ実行にも移せない。概念がずれていても、根本は※「各々の医療職種が連携して治療に携わる事」という浅い概念、というよりも、この元となる概念があるので、致命的なズレは起こらず、且つ具体化された実践が可能となる。
繰り返すが、原因の根幹は、概念の“浅さ”にある。
チーム医療が実践できれば、色々な視点でメリットが出ることはわかっているだろうが、ここで敢えて述べてみる。
チーム医療の概念について、看護者ならば、まず口にする言葉が
「良い看護ができる」
ではないだろうか。もちろん間違ってはいないが、視点を看護のみに限定せず、医療従事者としての視点からも見てほしい。できれば、もう少し視点を広げて管理者・経営者という視点からも見てほしい。それが、最終的には良い看護にも繋がるということ事も理解してほしい。
チーム医療が実践出来れば、
①良い医療が提供できる
②コストが削減できる
③職員の定着率が上がる
④経営が潤う
順番はともかく、①と④が両極端に位置すると考えた場合、②と③がそれぞれ繋ぎ約を果たす。だが、①と④は連続したものである。
一般的に、看護者は④を見落としがちで、経営者・管理者は①を見落としがちである。経営者は、①もわかっているという人間が多いが、実際“良い医療とは何か”を問うた場合、実に的外れな答えが返ってくる。医療にも幅があるのは当然だが、医師の視点からの“医療”であったりすることが多い。看護の視点にまで眼が及んでいても、それを事実上把握できていないなら①を知らないも同然である。といっても、その視点からしか見れていない管理者が悪いと言っているわけではない。そこで、看護管理職などの力が必要なわけだが、現実としてそれも弱い。
今こそ、チーム医療ということの本質を深く考えていってほしい。
最後までご閲覧いただきありがとうございます。拙著本「精神科看護師、謀反」も看護の参考にしていただければ幸いです。