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精神科における夜間の病棟巡回
特に精神科では、夜間の病棟の巡回が重視される。もちろん、日中であってもそれが他科であってもその大切さは変わらないが、議論されるのはそのリスクの高さからである。
夜間帯は、最低1時間に1度が通例。時々、巡回をほとんどしない看護師がいるが、それは論外。痛い目にあった時の言い訳や感想を聞いてみたいものだ。
そのようながっかりする話はさておき、今回は、巡回をどのようにする必要があるかという基本に触れておきたいと思う。自覚のある看護師なら、いちいち説明するまでも無いが、この機会に看護学生や今までそれなり(当たり前の)の教育を受けることが出来なかった看護師達に念のため話をしておきたいと思う。
巡回は、一時間に一度以上。あくまでも“以上”という言葉を頭に入れておく事。病棟で決まりごとのように言われているが、状況によっては頻回に巡回する事を忘れないようにしていただきたい。そして、一時間に一度といって、時計の針が【12】をさしたと同時に動き出す看護師がいるが、基本はランダムに見回ることが望ましい。病棟の患者の状況などによっても判断しなければならないが、看護者の見回るであろう時間を予想して「何らかの行為」にでる患者は少なくない。その点を考慮して巡回する事を心がけてほしい。
また、巡回というものは“見回るだけ”のルーチン業務であっては決してならない。1度見回るにしても、目的の持ちようによって巡回の質が異なってくる。
次に巡回での注意点について述べてみる。
・できるだけプライバシーに配慮する事。
・患者を起こさないようにする事。
・患者の無事を一人ずつ確認する事。
・周辺の環境に変化が無いか見ること。
注意点は、大きく分けるとこの程度かもしれない。いくら細かく巡回していても、目的が頭から抜け落ちていたら、巡回した意味が無い。まずは、巡回の目的を頭にたたきこんでしっかり見回る習慣を心がけてほしい。
今回はいたって基本的なことを触れるにとどめたが、ベテランでも朝になって些細な事でも、何かを見落としていたという事は少なくない。今回挙げたような注意点を常に念頭に置いて、巡回というものを実施してほしいと思う。
最後までご閲覧いただきありがとうございます。拙著本「精神科看護師、謀反」も看護の参考にしていただければ幸いです。