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賛否両論 フィリピン人看護師の導入

投稿日:2006/10/12

日本へのフィリピン人看護師・介護士の受け入れについて、反対論を唱えるのは私だけかと思いきや、結構な立場の人間も反対していることにやや安心した。

記事にもあるが、日本看護協会やホームヘルパー全国連絡会でも反対論と唱えている。ただ不安なのが、反対を唱えているとはいえ、論の捉えどころに乏しいという事。

ホームヘルパー全国連絡会の森永伊紀事務局長は、「安価な労働力としてフィリピン人が使われると、日本人を含めたヘルパー全体の労働条件が下がらないか」と心配しているとか、日本看護協会でも、「国内の看護職の人材確保で解決することが重要」と意見があるとのこと。

 あくまで新聞記事を見ての意見であるが、今更フィリピン人が安価な労働力で使われるという心配をしているようでは、反対論者もこの程度だと思われても仕方がなかろう。経済構造と、今の日本の人権への注目度、具体的には1000人単位での受け入れという事を鑑みれば、高価な扱いをする事があっても、安価な労働力として扱われる事はありえない。仮に1万人単位での受け入れが始まるとすれば、看護・介護の労働条件どころではなく、文化摩擦のほうを問題視されなければならない。日本看護協会においても、「国内の看護職の人材確保で解決する事が重要」と抽象的な意見。具体論を持っているのであれば、看護協会の立場を利用して主張すべきである。
 日本医療労働組合連合会の井上久中央執行委員は、「外国人看護師を受け入れている英国では自前の看護師を育成する力が落ちている。安易な受け入れは危険」と指摘。現場でも日本社会での生活体験が限られる外国人労働者の定着に懐疑的だという。だとすれば、ここの主張だけではなく、パブリックコメントなり、意見書なりを何故提出しないのか。提出しているとするならば、それを公にコメントするべきである。この程度の動きであれば、「心配はあるが、受け入れるなら仕方が無い。別にどっちでもいい」ととられて、政府の思うがままとなってしまう。

記事によると、全国の病院などが必要とする看護職員は今年約131万4000人で、約4万2000人が不足する見込み。2010年でも約1万5000人の不足が見込まれるとのこと。単純に、外国人医療者でこれを埋めようとするのは究極に短絡的といえまいか。上質の看護師・介護士が入ってくれば日本人看護師・介護士の職場選択の幅は大いに縮まり、むしろ、これから看護師免許を志していた人間が方向転換をする事も十分ありえる。となると、見込んでいた日本人看護師・介護士の数を得られることが出来ず、更なる人員不足が生じる。それを、さらに外国人労働者で補おうとする最悪のスパイラルがおきてしまう。

我々の心配をよそに、一方では「私たちがやってきたことは、正しかった」と主張する者もいる。
 
フィリピン南部ダバオ市にある「ミンダナオ国際大学」のニエト・ラトレ・ビト学長(56)だそうだ。同大は02年、特定非営利活動法人(NPO)「日本フィリピンボランティア協会」の協力で創立されたとの事。

この談話は問題外。フィリピン人のフィリピン国の主張をしているだけのこと。問題は、無学のNPO「日本フィリピンボランティア協会」がそれを後押ししている可能性があるということでは無いだろうか。詳細は不明だが、もし、このNPOが日本へのフィリピン人流入に協力しているとすれば売国奴もほどほどしい。万が一、フィリピン人の日本流入が学校設立の趣旨と違っているのであれば、NPOとしてそこから撤退すべき。もしくは、NPOの方向性は違うとの主張をすべきである。

以前にも述べたが、日本政府が外国人労働者を受け入れるのは、対外貿易をスムーズにいかせるためのただの名目であると考えられる。問題は、この名目に便乗して左翼団体が平等の名の下に、さらに外国人労働者の入国に拍車をかける事。今後の周辺団体の動向が注目される。

念のため、今回の問題が話題になりだした頃の初期の記事も載せておく。

最後までご閲覧いただきありがとうございます。拙著本「精神科看護師、謀反」も看護の参考にしていただければ幸いです。