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うつ病と精神論
昨日TVを見ていると、爆笑問題がでている番組で医師が大勢出そろいいろいろな疾患について議論していました。その中でうつ病について
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「最強医師が疑問解決!」という番組をみていると、
うつ病について
「安易にうつ病だと診断しすぎる」
との医師からの意見があった。
これは精神科領域において
※いかに医師によって診断が違ってくるものなのか。さらに曖昧なものであるのか
をあらためて証明したようなものである。
また、出演していた神経科医(たしか)によると
“うつは、精神科のうつ病と日常ストレスによって起こるうつ症状との違いがある”
という意見もあったが、これは精神科医が真っ向から反論していたので安心した。
しかし、メディアが一連の誤解を与えているという面では一抹の不安を感じるし、精神科疾患に関しての理解が医師間でもなされておらず低層を這っているという意味では、今後継続して見つめていかなければならない問題であろう(ちなみに、反論していた精神科医は前衆議院議員の水島広子氏である。おそらく、そのようなふれこみもなかったので、誰も気づかなかったかもしれないが。)。
一部の医師が言うように、うつ病を見分けるために精神科のうつ病と日常ストレスにおけるうつ症状という風に分けて考えるとすれば非常に問題がある。
うつ病は
※もともとうつの要素をもっている人間が環境要因(ストレス)によって発症する。
わずかなストレスで発症する人もいるし、大きなストレスでようやくうつ病となる人もいる、逆にあらゆるストレスを乗り越え生活する人もいる。逆に、うつ症状としてでらずに身体症状としてでるひともいる。
いずれにせようつに関しては、社会適応できる程度であれば広義のうつ状態(TVではうつ症状といっているが)であるし、適応が難しくなればうつ病といっていいと思う。
だから、水島氏がうつ病とうつ症状の境界を見分けるのは困難であるといっているのは間違いではないと思う。
と簡単にいってもここからが複雑で、社会適応も周囲のサポートや環境によって大きく変わるし、そこにはもともとの性格も関係してくる。性格ももともとのものなのかどうかという判別も必要であるし、もともとであっても社会適応できているかどうかetc・・・このように要素は循環しており、判断は容易でないことは紛れもない事実であると思う。
ここまでで、うつ病の判別には複合的な視点が必要であるということは分かってもらえたかと思うが、これを踏まえて“安易にうつ病だと診断しすぎるという視点”で患者を見ていては本当に救うべき患者を自殺に追い込むことになるということだけは忘れないでほしい。
いつかこのblogにも書いた記憶があるが、
※“安易にうつ病と診断する”という概念で議論するのではなく、うつ病かどうかを慎重に見極めることに重点を置いた議論をすべき
でなければ本当にうつ病である患者を、軽症であっても「これくらいならうつ病ではない」と精神論で患者に説得してしまい、患者を自殺に追いやるような事態が起こりかねない。いや、精神科であれ他科であれ、それが日常で行われているような気がする。
だから、少しの不調だけで簡単に精神科に受診するなという触れ込みは間違いで、医師が“より適切な診断を下せる”という前提のうえで、不安や入眠障害がある人はためらわず受診する必要がある。
少なくとも本人は不安なわけなのだから、その尺度を他人が判断して受診の必要はないと言いきっているとするならそれは精神科医以外であると信じたい。
一言に不安といってもさまざまであるので、まずは受診し、そのうえで医師に不安の背景を聞いてもらい、うつ病であるのか一過性のうつ状態であるのか、それ以外の疾患であるのか、投薬の必要があるのかないのか等の判断をしてもらう必要があろう。繰り返すがここには前提があり、適切な診断が下せて利益主義に走っていない医師に限っての話である。逆にわずかな日常の精神面の変化に対してすぐにうつ病やその他の精神疾患であると診断し、無知な処方を繰り返している事実があることも心の片隅に置いておいてほしい。
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