- HOME
- 看護論的経営論
パキシルの離脱症状と副作用
知り合いの対応で気になることがあったので記事にしてみます。
ここをクリックしてから読んでね。
また、当NPO法人のHPはこちら(医療相談等々)ご協力お願いしますね^^。
パキシル
その作用からSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)といわれる。
適応は、うつ病とパニック障害
3環系や4環系の抗うつ剤とちがい副作用が格段に少なく、うつ病やパニック障害の第一選択とされている。
アメリカではハッピードラッグなどとも言われたそうだが、問題はいろいろ。
いや、しかし、それで救われた人もたくさんいるはずだ。
なるほど、パキシルは導入においては比較的抵抗がない。精神科医やそれ以外でも比較的その傾向が強い。
パキシルを嫌がる医師もいるが、それは薬剤の問題を知ってのものではなく、ただ個人的に“嫌”なだけだという面白い傾向も時々見られる。
パキシルは、問題さえ理解していれば非常に良い薬である。
問題は、3点ほど
1、人と程度にもよるが、内服開始から数日は吐き気を催す
2、内服により自殺を誘発するという報告がある
3、断薬の際、耐えがたい離脱症状がある
まず1から
内服開始から数日は、吐き気を催すことがある。これは、与薬する患者に十分説明しておかなければ、いつまでも続くものだと思い内服どころか受診すらしなくなることがあるので要注意である。パキシルが合わない場合は、SNRI(トレドミン)にスイッチするなど方法はあるので、不安にならないよう十分説明しなければならない。
2について
一時期マスコミが挙って取り上げていたが、これは副作用として自殺願望がわくのではなく、自殺する余裕もないほどうつ状態だった患者が、回復期になり自殺するほど動けるようになるためであるとの見解が一般的であろう。
うつの人に聞けば、「死ぬ気力すらない」。こうも表現する人がいることから考えればわかる。
3、これが一番のネックである。
パキシルの導入はスムーズで、服用量を減らそうとしたら調子が悪くなる。これは、パニック障害やうつが警戒していないというよりも、パキシルの離脱症状だと考えるほうが自然である。
断薬による離脱症状は、個人差があるが眩暈(めまい)・吐き気・頭痛・体のピリピリ感・特異な頭痛などさまざまであるが、症状の出現は減薬時でも起こりうる。
パキシルは通常10mgから処方され、1W及び症状により週単位で増量、減量を試みる。
特に問題なのは、10mgから断薬へ向けての時。人によっては、5mgさらには2.5mg単位で減量していかなければならないことも。
ところが、発売されている大きさは1錠10mgのものが最小。断薬には人によっては、さらに細かく分割して処方できるようにすることも考慮しなければならないことなども
※医師は熟知しなければならない
精神科医は、精神科に熟知しているという神話は幻想であるという話は、以前の記事でも述べた。
私のリンクにある笠陽一先生は薬の特徴を熟知している数少ない精神科医ではないだろうか。
抗精神病薬や抗うつ薬・抗不安薬など向精神薬と位置づけられるものは、それぞれの特徴を理解していても一様にはいかないのが現実。しかし、最低限知るべき特徴をもしらない精神科医が多い現状をどのようにかしなければ、患者が間違った利益主義に埋もれてしまう。
私の今回の記事は、学ぶ気のない精神科医と精神科医療の荒廃に対しての警鐘としたい。
---------------------------------------------
※NPO法人 泉州精神看護研究会への寄付金・募金をお願いしております。以下の振込先ですが、お振込みの際は必ずmail@seishinkango.jp宛てにご連絡ください。募金に関しては、使途を明確にし医療の発展に役立てたいと思います。
---------------------------------------------
振込先:三菱東京UFJ銀行 岸和田支店(店番780)
普通口座 3624711
口座名義 特定非営利活動法人 泉州精神看護研究会
---------------------------------------------
※NPO法人 泉州精神看護研究会の会員を募集中です。ご興味のある方は、NPO法人泉州精神看護研究会ホームページの入会フォームから申し込みください。入会にあたり、特に地域を限定されるものはありませんので、遠方の方でも遠慮なくご連絡ください。
---------------------------------------------
※拙著「精神科看護師、謀反」をご入用の方は、mail@seishinkango.jpまでメールをお送りください。送料は、当方負担で無料送付(本代別途)させていただきます。