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失禁という言葉の使い方
私は数年前、「失禁という言葉の使い方」という趣旨のレジュメをまとめた事がある。数年昔になるので、今こうしてブログを書いている事など、ましてや本を出版している事なども予測すらできていなかったため、その資料はおそらく前の病院の片隅で埃をかぶっているだろう・・・、という程昔の話である。
私の資料は、以前の病院の看護長が「おまえの資料、講演で使わせてもらったぞ」との事後報告を受けて初めて転用された事を知った。昔は気持ちよかったが、今思えば無断使用・著作権の侵害にあたると主張したい。が、そこでもめても仕方がなかろう。
今日は、私の資料の行方という話題に触れるのではなく、その資料がどのようなものであったかを紹介したい。
記憶の限り、書き出してみる。以下、
※失禁とはどのよう意味として使用していますか?今、病棟で耳にする言葉は、失禁病棟・失禁交換・失禁のおやつ・失禁預かり・失禁者・・・etc
もともと、失禁とは意思に反して出てしまう不随な行動をさします。主なものに、尿失禁・便失禁・感情失禁・・・etcこの辺りが主なものではないでしょうか。そこで、失禁という意味を冒頭にあげた言葉に当てはめてみると、当てはまらない事に気付きます。失禁病棟や失禁交換などは、おむつ=失禁 というイメージで表現しているのでしょうが、使い方を間違えば、差別を植えつける原因にもなりかねません。
もちろん、失禁という言葉を使ってはいけないということではありません。正しい使い方をしなければいけないという事です。いうまでもなく、この言葉だけにこだわるのでもありません。どのような言葉であれ、使い方を間違えば、偏見を生む原因にもなります。また、使用された側の気持ちを考えれば、決して気持ちのよいものでもありません。その点を踏まえて、これから気をつけて使用してゆきましょう。
記憶は定かではないので、文章的にはまったく違うかもしれないが、伝えたい事は変わらないように表現してみた。
この“失禁”という使い方の誤解は、精神科ならでは。この勉強会のとき、「では、どのように言えばよいのか」との質問が出た。私は、「普通におむつ交換といってください」とコメントしたのを覚えている。
この呼び方は、地域限定かもしれないので、地域ではどのような状況なのか、是非コメントをいただきたい。
最後までご閲覧いただきありがとうございます。拙著本「精神科看護師、謀反」も看護の参考にしていただければ幸いです。