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看護界のインセンティブプロブレム
新しい職場に変わり、何より驚いたのが看護スタッフの学習意欲の高さである。以前の職場では聞かれなかった言葉を、毎日当たり前のように聞かされる。
「毎日が勉強よね」
「わからないことは、その日のうちに調べないとね」
自分が今まで否定されていたことが、今の職場では肯定どころか当たり前の考えのようだ。これは、決して現在私が勤めている病院が優れているからであるということではないはずだ。問題とするところは、
※看護師間の学習意欲格差
である。これをわたしは【インセンティブプロブレム】と呼びたい。
今後解決すべきは、看護師間の学習意欲格差の是正。それに取り組んでいくことが、私の長期的な課題でもあるわけだが、まず、具体的な問題の抽出をしなければならない。そのうえで欠かせないのが、経営問題との関連である。学習意欲格差を是正することは、単純な問題でないことは言うまでもなく複合的である。
ここで、着目すべきは①個人病院と②公立病院とを分類して考えることと、③精神科と④他科とを分類して考えること。もちろん、他にも分類のしようがあるが、規模の大きさから考えると状況が顕著にわかり、分類が容易であるという観点からの着眼である。
精神科というものは、私の「精神科看護師、謀反 極私的革命レポート」でも述べているとおり、他科と同様に専門性が求められ、なおかつ手本というものを直接活用するには困難な部分が多く教科書的ではないという、目に見えにくい技術を究極に求められる分野である。にもかかわらず、インセンティブに欠けた看護師が多く流れ込む傾向にある。その点を踏まえて、私はここ数年以内にインセンティブプロブレムに関連した論文を書き上げるつもりである。