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精神科の看護師にも卓越した看護技術を

投稿日:2007/11/02

予備校の予習を終わらせ、泡盛を飲みながらの更新です・・・


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 先日、久々に患者の急変を見た。丁度私が日勤でリーダーをしているときだ。

面白い事に、急変直前の夜勤者は、中尾(我がNPO監事:最高財務責任者)だった。申し送りでは、詳細は省くとして

「夜間、せん妄様で」

との旨の申し送り。普段自立している患者で、問題といえばホスピタリズム的な日常生活くらいで、病院で生活する上では特に問題のない人。
(お節介だろうが、この急変後相棒である中尾がきっちり観察をしていたかと看護記録を見直した自分が面白かったが・・・。)



患者の急変は、この1時間後に起こった。心配だったので、私は、主治医の診察時間を待たず、電話で呼び出すことに。なかなか来ないが、私自身も1分・2分を要するような緊急事態だとも思わずにいた。


20分位たって主治医が到着し、診察。患者の様子がやはりいつもと違う。車椅子に座らせていたのだが、亜昏迷に近い状態で振り向いてはくれるのだが、反応は鈍い。

主治医は内服薬の変更も含めて、内科的な疾患のスクリーニングにかけるため、頭部CTの指示を出す。
一刻をようするという感じではなかったが、CT室に電話。こんな時に限って検査技師がつかまらず。
その様な状況にありながらも、私自身も午前中にでも撮影が出来ればとの感覚。
「先生、検査技師つかまりませんわ。」
などといいながら、1~2分おきに時々リダイヤル(当院の通信事情の問題には触れないでいただくことにして)。


と、




急に





痙攣が始まる。間代性の痙攣から、強直性の痙攣に移行。





Dr.「ホリゾン1A」





おお・・・いきなりか・・・


と思いながらも、
「ホリゾン1Aでいいんですね」
半分、嫌味を飛ばしながら淡々と準備を。

1A筋注直後(数秒となく)、軽い舌根沈下程度で呼吸困難に。
エアウェイを挿入するが改善されず、気管内挿管の出来るDr.を呼ぶように師長に要請(失礼ながら、Dr.を名指しで)。

linekeepをし、気管内挿管。すでに呼吸停止していたため、心臓マッサージを行う。心臓マッサージは、救急救命士をもっている師長と、私と、看護学校に通っている准看護士の後輩の3名で。

狭い詰所で、

「○○君!その机どけてスペースくって!」
「酸素ボンベ持ってきて!」

staffはわんさかいたので、申し訳ないが使うだけ使わせてもらった。

モニターの装着にもあたふた。装着の方法以前に、どこにあるのかという問題。私は、心マで必死。しかし、何とか装着可能。幸い、腕の立つDr.が多く精神科には珍しく指示はスムーズ。何分経過したか覚えていないが心臓の拍動も確認され、患者の息が吹き返された。


「おーーーーすげーーー」


もともと精神科の医者ではないDr.からの賞賛(多分、看護技術ではなく、患者自身に言ったのかもしれないが)に私は安堵し。


「ふぅ・・・・」



久々に救急措置をとったわけだが、体は忘れていない事を実感する。

「越智さん、おつかれさまです~。大変でしたね!」
「越智さん、いつも訳の分からない冗談言ってますけど、やる時はやりますね!」


「おいおい、やるときはやるじゃなくて、いつでもやってるよ!!」

と思いながら、若手に最新の救命の説明をした。




もっと詳細を話したいところだが、だらだらと長くなるので割愛するとして、


要は、精神科のみで勤務した事のない看護師でも、救命の技術を身に付けて欲しい。精神科だから不要だという事ではなく、精神科であるからこそ必要なであり、精神科という職場を離れずしてそれを習得する機会を提供したい。

個別の学習意欲に任せていては、学ぶ意欲があっても方法が分からない者も少なくない。だから、

“一度精神科を離れて、他科へ”

もしくは、“アルバイトで経験を”
という風潮が根強い。

これらの方法を否定するわけではないが、逆にもともと他科で働いている者が

“精神科技術を習得する為に一端職場を離れて”

というのが相当稀であることを加味して考えてみると、精神科への認識はまだまだ甘く、社会的な教育環境も

「超自主的」

に任されていると表現するしかなく、どのようにして精神科看護・精神看護技術を学べばよいのかという“機会”をつくらなければならず、同時に、精神科に勤務する看護師が救命措置をはじめ様々な実践技術を習得できるような環境を提供していくことが今後の重要課題であるといえる。

その様な趣旨も含めて設立されたのが、当NPO法人泉州精神看護研究会。
我々の活動が、これからの医療に貢献できれば幸いである。









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