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統合失調症は100人に1人か
いよいよ今週第98回看護師国家試験があります。私は、今年度の講義は終了しましたので後は祈るのみ。当日国家試験の会場に出向くことはできませんが、念力を送っておきますので、私の講義をうけてきっちり復讐した人は大丈夫。さて、国家試験とは関係がありませんが・・・
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教科書や文献等で、統合失調症は100人に1人、詳しくは0.85%程度。つまり1%弱ということが広く言われているのはご存じだろうか。
また、統合失調症は多くの人が普通にかかる病気で、「こころの風邪」であるという表現もよく耳にする。
たしかに、そういう話を聞いてほっとする人もいるのかもしれない。
しかし、私はその数字と、この表現方法に疑問を感じる。
統合失調症は「こころのかぜ」などではない。免疫力で自然治癒するというものではないし、軽い病気であるとも言いたくはない。だからと言って、治療法がないのかというとそうでもないし、難治性でもない。その多くは寛快し、社会復帰が可能である。 とはいっても、残念なことにその通りに治療が進まないことが多く、そういう現状があることも事実である。
つまりどういうことか。
※誤診・誤処方があまりにも多すぎる
ということがその多くの理由・原因である。
統合失調症でもないのに統合失調症と診断されれば統合失調症用の薬剤が処方される。まぐれで、あるいは運良く統合失調症であると的中しても今度は多くが誤処方を受け続けて症状を悪化させる。気がつけば統合失調症と見分けがつかなくなる薬剤性精神病の症状が出ているのである。
なにも根拠なくいっているわけではない。
・子どもで様子がおかしかしく、被害妄想が見られるだけで統合失調症だという診断
・幻聴が聞こえる・被害妄想があるというだけで統合失調症
・当初は精神発達遅滞という診断であったのに、いつの間に統合失調症の診断が加わっていた
笠医師とそこに相談にきた家族や当事者さんたちの書いた「精神科セカンドオピニオン」をみるとわかりやすい(当事者の方や、家族さんは必ず読むべきである)が、決してそれに影響されて適当に言っているわけではない。
・当法人の精神医療ホットラインにかかってくる統合失調症と診断されている患者さんの多くが、というか、今のところ明らかな統合失調症の人からの相談が来たことがない。統合失調症との診断を受けているが、明らかに違う人が多すぎる。じっくり話もできるし、では薬物が奏功しているから落ち着いているのではないかということも言われるかもしれないが、当初の症状も被害妄想があったという程度だけであるとか、むしろ薬剤を飲んでからのほうが調子が悪く、錐体外路症状のみが出ているとか、こちらが適切な薬剤に減量・中止・変更してくれる医師を紹介することでかなり軽快したりと、冷静に考えて見れば、多くの文献で言われている100人に1人(0.85%)が罹患する疾患であるという根拠はどこにあるのかというところに疑問をもつ。いや、それ以上に訂正を求めたい。逆に訂正すべきであると言ったほうが手っ取り早いのかもしれない。
誤診や誤処方があった患者も含め、結果的に統合失調症と診断されたすべての患者数から統計を出したのであろうが、これらの現状をみると信憑性に欠けるどころか、極めて曖昧なものであることがわかる。また、これが公に問題になっていないところをみると、誤診や誤処方、つまり、これまでに見ない広義の医療過誤と薬害であるということにマスコミも気づいていないのだろう。
私は統合失調症に関しては、1000人に1人かあるいはそれ以下の割合であると考えている。
病院で長期入院している患者さんの多くも、当時の誤診から+α誤処方の結果生じた薬剤性精神病であるように思う。
こころの風邪と触れ込んで、一時的に安心させるのはいいがその陰で誤診から多剤大量療法の枠にはめられ、症状が悪化し一生のほとんどを入院生活で過ごすような状況になるのであれば、私は
“極めて慎重に見る必要がある疾患であるとしながらも適切な診断と適切な処方によりその多くが日常を普通に過ごせるようになる”
と説明したほうがよっぽど嘘がなく、適切な表現であると思う。
特に精神科に関係する医療従事者は
※「統合失調とは」
これをもう一度学びなおしてほしい。
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