- HOME
- 看護論的経営論
副作用止めとしての抗パーキンソン薬は、中長期的には使用すべきではない。
なかなかblogを更新できませんが、きちんと活動はしていますので^^さて、今回は久々に基本的な話を記事にしてみました。
応援クリックにご協力お願いします!→
また、当法人精神医療サポートセンターのHPはこちら(医療相談等々)
携帯サイト(精神医療ホットライン)はこちらから→http://www.seishinkango.jp/m
抗パーキンソン薬はパーキンソン病の際に使用するものであるが、ご存知の通り、抗精神病薬の副作用止めとしても使用されてきた。
ところがこれが大きな問題で、
この抗パーキンソン薬にも副作用があるのだ。
つまり、「副作用止めの副作用」である。
中長期的には、
口渇・便秘・尿閉・認知機能低下、幻覚や妄想の出現、機序としては逆の理屈になるが、遅発性ジスキネジアも起こりうる。
幻覚や妄想を消そうと、その症状のみに焦点を当て抗精神病薬を増量し続けた結果、副作用が増強する。
その副作用を消すために抗パーキンソン薬を投与しているのに、精神・身体症状が悪化しているとすればもはや何を治療しに来たのかわからなくなる。
さらに抗パーキンソン薬の長期投与による精神症状の悪化を、「原疾患の精神症状だ」と見間違えられ、抗精神病薬の増量となれば最悪だ。
また、急激な抗パーキンソン薬の増減(特に減量時)も問題となる。悪性症候群の出現を誘発するだけではなく、その他の精神・身体症状の出現も起こりうる。
これらを総合的に考えると、幻覚・妄想に対して抗精神病薬が奏功しない場合は、
・診断の見直し
・抗精神病薬(あるいはそれ以外)の減薬やスイッチング
この二つを優先的に考えるのが基本中の基本だ。
適当に鎮静をかけ、鎮静により幻覚・妄想が落ち着いたように見せかける処方は素人でもできる。
抗精神病薬の副作用をできるだけ出現させないよう“うまく処方する”のが医師の腕の見せどころであり、精神科医であることの証明と言えるのではないだろうか。
-------------------------------------------
※NPO法人 精神医療サポートセンターへの寄付金・募金をお願いしております。以下の振込先ですが、お振込みの際は必ずmail@seishinkango.jp宛てにご連絡ください。医療相談により、東日本大震災の被災者の方々へのサポートもできればと考えております。
---------------------------------------------
銀行名 住信SBIネット銀行
支店名 法人第一支店
支店番号 106
口座番号 普通 1003812
口座名義 トクヒ)セイシンイリョウサポートセンター
特定非営利活動法人精神医療サポートセンター
---------------------------------------------
※NPO法人 精神医療サポートセンターの会員を募集中です。ご興味のある方は、NPO法人精神医療サポートセンターホームページの入会フォームから申し込みください。入会にあたり、特に地域を限定されるものはありませんので、遠方の方でも遠慮なくご連絡ください。
---------------------------------------------
※拙著「精神科看護師、謀反」をご入用の方は、mail@seishinkango.jpまでメールをお送りください。送料は、当方負担で無料送付(本代別途)させていただきます。