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看護師資格 大分割論

投稿日:2006/04/01

看護師資格大分割とは、端的には「看護師国家資格の細分化」を目指した最終的な形態をいう。現在は、認定看護師と専門看護師がそれを先行している形であるが、これらは、看護全体の質を変えるとなるといささかの疑問が生じる。

まず、
①インセンティブ(学習意欲)のある看護師であっても、取得するにあたっての条件が厳しく(修士でなければならないなど)壁が厚い。
②一度、看護師資格を取得したある一定以上の年齢層の看護師は、金銭的に容易ではない。
③ほとんどの医療機関では、一旦職を離れなければならないなど離職期間(退職せざるを得ない場合がほとんど)を要する。

などの問題がある。
では、認定・専門看護師資格の取得を容易にすればよいのかというとこれも論点のずれたものとなってしまう。そこで冒頭にのべた、“看護師資格大分割論”があがってくる。

 看護資格をどのように分割するのかは、今後も議論を要するが、ポイントとしては、
①どのような科で分割するのか
②A,看護師資格の保持を大前提として、現在の認定看護師・専門看護師制度のように付加する仕組みにするのか。
 B,抜本的改革論として、看護師資格そのものを大分割するという考えもある。
③具体的には、導入時期・導入方法・上記②のA・Bのどちらになるかによって、資格保持者の他科への流動(自主的に退職して別医療施設へいく場合や、同施設内での他科への人事異動等)方法も勘考しなくてはならない。


看護資格大分割は、長所として
①取得難易度(試験の問題数は多い形式にするほうが望ましいが、少ない形式にするのであれば、4択ではないほうが望ましい)は高いが、潜在的にインセンティブの高い看護師を発掘でき、各科の質の向上が早期に望める
②現在の専門看護師・認定看護師に比べ金銭低負担を少なくすることができ、現職を離れる必要がない。

などがあげられる。

この論は、現在の認定・専門看護師を否定しているわけではなく、現状を早期に是正する為のものであり、認定・専門看護師も長期的に見れば看護の質を大きく変化させるものであることはここであえて言うものでもない。
 今は、看護資格大分割論を大まかにしか述べていないが、時が来ればこの案件をさらに深く掘り下げていく必要があろう。この大分割論を現状では非現実的として考えようともしない者がいたり、専門家でもこの案件が現実的にありえないとして否定するだけの者がいれば非常に短絡的だといえよう。主眼とするところは、この分割論を現実的なものにするという事以外に、それが議論されなくとも、その過程を看護のどの部分かに活かすことができるはずであるということなのである。
今後、私の論も含め積極的な改革論がでて議論されることを熱望する。