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笑い話 ~姉の出産に立ち会わざるを得なかったという話~
今日は一つの面白い話をしたいと思います。
ある兄弟の姉が出産間近。普段から、夫は出産に立ち会うのはあまり気が進まない様子。これは、最近は風潮が変わってきたこともあり、立ち会わない夫も少なくなってきたとはいえ、昔から日本の文化である故、否定は出来ない。また、夫の気持ちもわかる。ましてや、医療従事者でない人であれば恐怖や不安という一抹の不安もあることは当然。そう考えるとよく気持ちもわかる。
その様な環境で、ある日、妊娠している姉から弟宛に電話にメールが入る。
「陣痛きたから病院にいくわ」と・・・
メールで陣痛(ここでいう陣痛は、①妊娠陣痛②分娩陣痛③後陣痛のうち、②の分娩陣痛がそれに該当する。)を知らせるあたり、時代を感じさせるところであるが、それはさておき、弟にメールが入るという事は、他の家族周辺にも連絡が行っているわけで、当然弟は状況を知ろうと姉にメールで返事を返す。
弟「今どこ?」
返事は帰ってこなかった状況から、弟はどのような状況かある程度判断できたという。そう、メールを返す余裕がないのだと。
弟は、母親に電話をする。
母「え、姉ちゃんは病院行ってるわ。もう着いてるみたいやわ。」
母親の返事から、姉の子ども二人を面倒見ているとの返事。同時に、運転途中でどうにかなっているという不安はなくなったそうだが、姉の夫は、タイミング悪く夜勤。父親は、仕事疲れからか、ビールを飲み早くから就寝。もちろん飲酒運転は出来ないので病院に動向は出来ていないとのこと。兄は、ダッシュは早いが、車はペーパードライバー。
つまり、姉は一人で病院へ向かったという事になる。
弟は考えた。
「もう夜の12時・・・。眠たい。できれば誰か姉に付き添えないものか。自分が行っても意味があるのかどうか。どっちにしても眠たい。明日も仕事・・・」
色々考えたようだが、姉が一人で出産する状況を可哀想と考えたのか、いつも喧嘩ばかりしている兄弟であるが、決心する。
「よし、いこか・・・・」
愛車の軽四を走らせ、燃費を気にしながらも病院へ。
着くと、痛そうにしてる。思ったより経過が早そうだ。
姉の陣痛の苦しみに、弟は面白そうにフラッシュをたいてデジカメで記念撮影。まったく不謹慎だ。
いよいよ陣痛の間隔が狭くなる。LDR(分娩陣痛回復室)で、普通のベッドが分娩台に変形する。
助産師は、「外でといてもら・・・・う?」と、なぜか遠慮しながら。
弟「外出とこか」
明日も仕事、眠たい・・・でも、一人ではこれほどの不安はなかろうと感じて病院へ様子を見に来たはずの弟。腰すらさする予定はなかったのに2時間ほどぶっ続けで腰をさすり続けた弟の疲弊感満載、ありったけの区切りをつけるはずの台詞だった。が・・・
姉「いといてよ!!」
あり得ない。最後まで立ち会うことになりそうだ。ここまできたら、開き直って写真を・・・あいかわらず不謹慎な弟だ。
時間は短かったが、自分の兄弟のことでもあるので一応心配。
真っ赤に息む分娩が下手くそな姉で、おまけに臍の緒が赤ちゃんの首に巻きながらも無事出産。
ほっと一息。
後から手伝いに来たもう一人の助産師がいう
助産師B「はい、お父さん抱っこしますか~」
弟「・・・・・」だまって抱っこしてから、小声で「だから、弟ですが・・・」と
いうがきこえていない。
姉は、「弟看護師なんですよ。やっぱりいといてくれてよかったわ~」とすかさずフォロー。
最初からいた助産師は、
「あの時、弟さんのこと医療従事者かもっておもったから、外にいってもらおうか、いといてもらったほうがいいかまよったんですよ~」と。「弟さんが立ち会うって、ほんと珍しいですよ」明らかにベテランの助産師だが、その様な方からの台詞は経験があるぶん信憑性がある。
そんなこんなで、気がつけば姉の出産に最後まで立ち会った弟。看護師のときの実習が始めての分娩で、次は自分の家族2人分(二人目は焼き飯を食べに行っている間に生まれてしまったという失敗談あり)、そして、今回の分娩と、非常にいい経験をしたうらやましい弟。
実はこれが先日の“私、越智元篤”の話だったりするのである。以上。
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