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副作用止めとしての抗パーキンソン薬は、中長期的には使用すべきではない。

投稿日:2011/07/15

なかなかblogを更新できませんが、きちんと活動はしていますので^^さて、今回は久々に基本的な話を記事にしてみました。



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抗パーキンソン薬はパーキンソン病の際に使用するものであるが、ご存知の通り、抗精神病薬の副作用止めとしても使用されてきた。

ところがこれが大きな問題で、
この抗パーキンソン薬にも副作用があるのだ。


つまり、「副作用止めの副作用」である。



中長期的には、
口渇・便秘・尿閉・認知機能低下、幻覚や妄想の出現、機序としては逆の理屈になるが、遅発性ジスキネジアも起こりうる。



幻覚や妄想を消そうと、その症状のみに焦点を当て抗精神病薬を増量し続けた結果、副作用が増強する。
その副作用を消すために抗パーキンソン薬を投与しているのに、精神・身体症状が悪化しているとすればもはや何を治療しに来たのかわからなくなる。

さらに抗パーキンソン薬の長期投与による精神症状の悪化を、「原疾患の精神症状だ」と見間違えられ、抗精神病薬の増量となれば最悪だ。

また、急激な抗パーキンソン薬の増減(特に減量時)も問題となる。悪性症候群の出現を誘発するだけではなく、その他の精神・身体症状の出現も起こりうる。


これらを総合的に考えると、幻覚・妄想に対して抗精神病薬が奏功しない場合は、

・診断の見直し
・抗精神病薬(あるいはそれ以外)の減薬やスイッチング

この二つを優先的に考えるのが基本中の基本だ。

適当に鎮静をかけ、鎮静により幻覚・妄想が落ち着いたように見せかける処方は素人でもできる。


抗精神病薬の副作用をできるだけ出現させないよう“うまく処方する”のが医師の腕の見せどころであり、精神科医であることの証明と言えるのではないだろうか。



















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