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精神科における個人情報漏洩の横行

投稿日:2006/10/31

精神科医療機関では、長年の経過から特殊な文化が形成されている。

一つに、看護学校と病院との繋がりが上げられる。日本には、精神科の団体は色々あるのだろうが、その一団体の話を例に挙げたい。

看護学校を受験する際、本当に試験の点数・面接点で公平に採点されているのだろうかという問題。施設に勤務しながら、そこで評価を受け、それが例の看護学校に評価点として考慮されているのではないか。もし、それが事実であるとするならば、今の高校単位履修不足問題並の問題である。

一つずつ整理してみたい。職場での業務態度などの評価が看護学校での採用の評価点とされている事実があるとするならば、次のような問題が生じる。

1、職場での個人情報が看護学校に横流れしている。
・職場での業務態度・素行などの評価が、看護学校で考慮されているという問題。これは、どのような理由であれ、個人の情報を医療法人から看護学校へ流してもよいということは許されない。そこに、個人の了承を得たという経過も聞いたことが無い。いわゆる個人情報の漏洩である。

2、看護学校での合否材料の一部とされている
・個人情報が流れる事自体問題であるが、その材料が合否の材料として利用されているとなれば、更に問題である。つまり、医療機関に所属していない受験生との採点基準が公平でなくなってくるという問題である。

3、個人情報が流されているという事実があるとするならば、その団体と看護学校の癒着が問題となる。
・その看護学校と、団体の存在意義が疑われるのである。


他にも問題はある。
例えば、一個人の看護学生の成績表がその施設に勤めているからといって、本人宛にではなく施設宛に送りつけられてくるのである。これを聞いて、

「保護者が、病院の上司(法人)だから、成績表が送られるのは当たり前」

という事をいう者がいたが、その言葉を聞いて私は大きく落胆した。


※保護者が誰であれ、個人の情報を勝手に見ることは許されないのは当然の事


心配なのは、看護学生各々がその問題に気付いて無いということ。今までの精神科医療文化の悪い慣習に飲み込まれている一例ともいえよう。また、周囲の医療従事者もその問題に異議を唱えるものはいないに等しい。
成績を見て病院側が看護学生に指導する行為そのものは問題ないにしても、本人の了承なく強制的に成績表を先に閲覧されるというこの仕組みは、あってはならず、刻失くさなくてはならない事項の一つである。

世間に対しては、個人情報保護を万全にとっていると張り紙などまでしてアピールしているのに、裏でそのようなことをしているのなら、医療法人・団体として失格であり、その体質に疑問を感じざるをえない。


もう一つ、例を挙げてみたい。
精神科で努めて、次の職場へかわるとき、ある上司が

「精神科で努めるにしても、情報が流れるのは知ってるわね」とか、
「この団体はつながってるから、精神科で働かれへんようになるぞ」

などの台詞を耳にしたことがあり、聞いた事もある。これは、一定の人間ではない。管理職についている人間数名から耳にした紛れも無い事実である。

つまりは、
※地域の精神科は某団体で繋がってるので、直ぐに情報は流れる

という事を言っているのだ。某団体の問題を抜きにしても、上司が精神科医療機関間で個人情報が漏洩することを是認・肯定しているようなもので、この発言がパワーハラスメントに該当するということ忠告しておきたい。このブログを見ている人間の中にも心当たりがある当事者がいるのではないだろうか。


精神科文化が作り上げたこの個人情報問題、そう簡単には解決されるものではない。
最後に、
今回の問題は、私が聞いた言葉は事実としても、その他の個人情報漏洩等に関して記述した内容は、私の一方的な解釈によるもであるという一言を付け加えておく。