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興奮した患者をどう看るか

投稿日:2009/05/15

今日は、久々に看護についてタイムリーなお話をしてみたいと思います。



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包括的暴力防止プログラム(CVPPP)




これは、シーブイトリプルピーと読むほうが正しいようである。






患者が興奮したときどうするのか。



これは、兼ねてから私の課題である。

※興奮しており、どうしても落ち着かない患者をどうするか。



やはり、可能な限り安全に怪我をさせないよう、且つ不快でなく苦痛もないように落ち着かせることを目標とする。


だが、実際暴力をふるってきた患者にどう対応するかは、現実、個々のスタッフの運動能力に任せてしまっていることが多い。




もうあまり見ない光景だが、昔は柔道の技を使ったりして患者を床にたたきつけていた。これでは、患者は安全に寝ころぶどころか、怪我を負う危険がある。


そこで役に立つのが包括的暴力防止プログラムである。




精神科一般にはまだ広く普及していないかもしれないが、こういう概念は広めていかなければならないと思う。

患者をいかに苦痛なく保護するかを考えた「チームテクニクス」や、一人で攻撃されたときいったん逃げて仲間を呼ぶための「ブレイクアウェイ」。



これらのテクニックは、他のどれとも一緒で習得は1カ月や2か月、合間合間で練習するくらいでは身につかないだろう。しかし、学ぶことで心に少しの余裕ができれば、それは看護の質として高まったといことになるだろうし、さらに訓練して、トレーナーやインストラクターとしてみにつければ、それはそれでCVPPPの概念に近い看護介入が可能となると思う。



ここでCVテクニックを間違った風に解釈してしまう人がいるので、説明しておきたい。



CVテクニックは、実際、患者を倒したり、関節を固定したりするが、決して痛みを与えてはいけないものであり、これは、合気道や護身術とはまた別の位置づけのものであると解釈してほしい。


CVテクニックが優れているというのはどういうことか。

患者を確実に倒して怯ませればよいのか。


これだと、ただの暴力になりかねない。




そうではなくて、患者をいかに安全に、そして苦痛なく保護するかが、CVテクニックの優れている人なのではないだろうか。





そして、このこと以上に重要で肝に銘じてほしいことがある。


それは、
※患者が興奮したあとの身体的な保護がうまいということより、興奮し暴力を振るわないようにするための看護者・患者間のコミュニケーションプロセスである。



これを、CVPPPの信州大学の下里先生は「ディエスカレーション」と表現している。





精神科看護で重要な部分は、チームテクニクスやブレイクアウェイなども重要もさることながら、患者を落ち着かせるコミュニケーション能力がとわれる段階、すなわち「ディエスカレーション」の段階ではないだろうか。




不穏といわれ、保護室に入ったり、筋肉注射を打たれたり、内服薬が増薬されたりしているのは、すべて患者の責任といえるのだろうか。


もしかすると、我々看護者の対応ひとつで、不穏とも穏やかともなり、その一瞬の判断が患者の人生を左右することにもなりかねないということを忘れないでほしい。


暴力に至るまでの過程こそ大事である。
それこそが包括的に暴力を防止するプログラム、すなわちCVPPP(シーブイトリプルピー)であろう。





















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